翌日は快晴。

一歩外へ踏み出せば、相変わらずの真夏日。モワンと、身を包む不快な暖気に思わず顔をしかめた。



そうでなくても、今日は憂鬱な気分なのに。

勤務時間終了後には、甲本さんとの食事が待っている。



やっぱり――

ちゃんと断れば良かったな。



時計の針が進むたびに気持ちがどんより沈む。いつもだったら短い針が5を指す時を待ち焦がれているのだけど。




今日も残業なんかあるはずもなく、定時きっかりに席を立った。


ツルピカ三兄弟(部長、次長、課長)に向かって「お先に失礼します」と声を掛けつつ、パートの猪飼さんと共に二階の更衣室へ向かった。



営業部の女子二人が定時に終わることはまずないので、遠慮がちに挨拶を口にしながら営業部エリアはそそくさと通り過ぎた。