瞬きさえも忘れていた。

「もっとする?」

なんて言いながら、左腕を私の背後に回してそっと抱き寄せる。



恥ずかしさに耐え切れず俯いた。


鼓動がやかましい。顔が熱い。


全身も熱い――

――でもそれは、真夏の気温のせいかも知れない。



と、クールな笑い声が聞こえ、私の肩を抱いた手がハラリと離れた。


不思議に思って隣を盗み見れば、

「あっついな」

と気怠そうに顔をしかめ、岩本さんは厚手の長袖作業着を脱いだ。



「何するんですか? こんな……こんなところで……」

ようやく思考が元通りになって、思い出したように文句を言えば、

「別にいいでしょ、誰も居ないし」

悪びれることなく平然とそんな風に返して可笑しそうに笑う。



かと思ったら、突然真顔に戻って「イヤだった?」なんて、小首を傾げて不安げに問う。