『すみませんお待たせしました。』



真也は、あの日と同じ雑誌コーナーで立ち読みをしていた。



『おう。行こか。』



『どこ行くんですか?』



『俺がいっつも行ってる居酒屋あんねんけど、いい?』



『居酒屋めっちゃ好きです!!』



『決定やな☆ちょっと歩くけど。』



暗い夜道を、真也はあたしのペースに合わせてゆっくりと歩いてくれる。



ふと、気になった事を聞いてみた。



『何で今日ご飯誘ってくれたんですか?』



『ん〜…いや、よく頑張ってるて店長もゆうてたし…まぁ何となくご褒美やな笑』



『何となくて…笑』



本当によくわからない男。



でも、何故かもう



この男の事を前ほど“苦手”とは感じなくなっていた。