BASKETBALL

次の日

教室に入るなり、エリが駆け寄ってきた。

「ちょっと〜!!聞いたよ!昨日押し倒されたんだってぇ??」

「はっ?なんで知ってるの??」

びっくりした私は思わず大きな声を出してしまった。

「あたし♪昨日見ちゃったんだよねぇ〜、ナミカが先輩に押し倒される所。なんか…すごくよかったよ!ドラマみたいだった〜」

モモが昨日の光景を思い出しながら話す。

「でも、あれは事故だから…」

私は恥ずかしさを隠すように言った。

「う〜ん…でもあの先輩、絶対ナミカに恋したよ」

「えっ?なんで?」

「だって、そうでしょ〜、あの状況でドキドキしない訳ないじゃん!」

そう言ってモモは私の顔を覗き込んだ。

たしかにあの時、心臓が破裂しそうな位ドキドキした…

でも、それは私が先輩を意識しているから。

先輩は私の事なんかなんとも思ってないし…

「今日、その先輩が部活でどんな様子かでわかるよ。いつもと違ってたらナミカの事意識してるんじゃない?」

エリが楽しそうに言う。

改めて昨日の事を言われるとなんだか部活に行きづらくなってきた。