【珍獣使い】の憂鬱

まあるいケーキの上にはイチゴが飾られ、ちょこんと添えられたチョコプレートには

ハッピーバースデーの文字。


「ナツさん、お誕生日おめでとうございます!」

俺は理解出来ませんでした。


その日が自分の誕生日なんて忘れていたし、いや、そんなもの俺には存在しないと思ってましたから。


俺の記憶にある誕生日は冬ではなく夏でした。

だって『夏月』の誕生日は名前の通り夏でしたから。

冬生まれなのに『夏』という名前の、俺の本来の誕生日なんて楡川家にはあってないようなものでした。