【珍獣使い】の憂鬱

「うん。ストーブって使ったことない」

「そうなんですか。おばあちゃんちとかにありません?」

おばあちゃん。

そんなもの俺にはいません。

実際にはいたんでしょうけど、ただの一度も会ったことがありませんでした。

もしかしたら母の葬儀に参列していたのかもしれませんが、顔を知らないので、いるはずだけどいない存在でした。

「さあ?」

ジンちゃんは、それ以上なにも追及はしてきませんでした。

お湯が沸くまでの間、2人で小さなテレビをただただ眺めていました。

おしゃべりなジンちゃんが何も喋らないのが不思議でならなかったのを覚えています。