【珍獣使い】の憂鬱

誰かの部屋におじゃまする、なんてことも初めてでした。

それまで友達がいなかったわけではないですが、それは仮の友達でしたし、学校とプライベートは完全に別でしたから、いわゆる友達の部屋に遊びに行くってのは、それが初めてのことでした。


「今ストーブつけますから座ってて下さい」


どうしていいのかわからなかったので、俺は言われるがままに座り、ジンちゃんがストーブをつけるのをジッと眺めていました。

旧式の点火式ストーブを見るのも初めてで、マッチを擦るジンちゃんの手元が恐ろしくて仕方ありませんでした。

ストーブがつくと、ジンちゃんはその上にやかんを置き、お湯を沸かしはじめました。

そんな行動をいちいち物珍しげに見ている俺にジンちゃんは
「珍しいですか?」
と聞いてきました。