【珍獣使い】の憂鬱

なかなか返事をしない俺にジンちゃんは焦れて
「1時間だけでいいですから」
と俺の腕をとったんです。


信じられませんでした。


ジンちゃんの右手が俺の左手首を掴んだ瞬間、そこから電流が走ったようになって、俺はその痛さに肩が抜けるんじゃないかと思いました。

ジンちゃんの力が強かったとか、そんなことじゃありません。

ただ人に触れられることに慣れていなかったんです。

母親が俺を抱き締めてくれたことはなかったですし、あったとしても、それは俺ではなく
『夏月』でしたから。


ジンちゃんの子供みたいに体温の高い手が、俺の冷たい手に触れて、いっぺんに血液が流れていくような感じでした。