【珍獣使い】の憂鬱

「なんで?」

好きではありましたが、まだジンちゃんのテリトリーに足を運べるほど信用してはいませんでした。

心の中では疑いの鬼が金棒を握っていましたし。

「なんでも、です。どうしても、です」

ジンちゃんの言動ってやつは、いつも身勝手で、聞いてもその理由が定かだった試しがありません。

その時もそうで、大きな口をとんがらせて、子供みたいに
「どうしても」
を繰り返すばかりでした。

俺は悩みました。

相手はなんといっても、これから運命を共にしていく相方で、一応は信じようと決めた相手です。

いつまでも逃げているわけにもいきませんし、いつかは俺の過去の話だってする時がくるでしょう。

そう思っても、弱い俺の心は、どうにかして逃げたいと断る理由ばかり考えていました。