【珍獣使い】の憂鬱

呪縛から解き放たれた俺が一番最初にしたこと。


家にある女の子の服を全て捨てました。

だって、それらは母親が『夏月』のために買い揃えたものであって、俺のものではなかったからです。

そして俺は自分で服を買いに行きました。
もちろん女の子用の、ね。


母親が亡くなってからも、俺は女の子の格好をすることをやめませんでした。

家の中では常にスカートをはき、部屋の中はピンクで統一されました。

そんな俺を父親は完全に諦めてしまっていたようです。

まあ、彼もまた被害者ですから、俺は父を責めるつもりはなかったですし、今もありません。