【珍獣使い】の憂鬱

「夏。母さんの前で男言葉を使うなって、いつも言ってるだろう?」

「だって、おれ男だよ」

「男なら母さんのことを守ってやりなさい。母さんはお前のことを女の子だと思っているんだから」


だったら、おれのことはだれがまもってくれるの?

こどもって、おやにまもられるものじゃないの?

おれが、男に生まれたからいけないの?

おれが、女の子じゃないからいけないの?

おれは、おれじゃだめなの?

その時、俺は思いました。


ああ、このひとたちは、おれのことをまもってくれないんだ。