【珍獣使い】の憂鬱

女の子として育てられたのに、ある日を境に男として生きる。


それは想像以上に息苦しいものでした。


家の中では俺は『夏』ではなく『夏月』でしたので、学校から帰るとすぐにスカートに着替えました。

母の前では『おれ』とは言えなかったので、家の中では俺は自分のことを『わたし』と言いました。


その二重生活は少しづつ少しづつ俺の心を蝕んでいきました。

本当の自分がなんなのか、わからなくなっていったんです。