【珍獣使い】の憂鬱

姉のことを聞いたのは、それから少ししてからのことでしたけど、その話を聞いても心はなんにも動きませんでした。


なんにもというのは、可哀相だとも、なんにも。

ほんとに、なんにも感じなかったんです。


俺がそんなふうに女の子として育てられてしまったのは、もとを正せば姉のことが原因ですが、それを恨む気持ちも母を責める気持ちも、なーんにもありませんでした。


ただ、それで全てのピースが揃ったといいますか。

全貌が明らかになったので、これで生きやすくなったなと、そんなふうに思いました。


これからどんなふうにして『子供』を演じていけばいいか、それがわかってホッとしたのを覚えています。