【珍獣使い】の憂鬱

そして、母親は

『男』である自分を『女』だと思っていること。

そして、それはこれからも続いていくのだということ。

母の前では女の子でいなくてはならないこと。


そんなことを俺は誰に教わるでもなく『自分』で理解しました。


目が覚めた俺に父親は泣きながら謝りました。

たぶん意識を失う前の俺なら、その謝罪の意味がわからなかったと思いますが、その時の俺は眠っている間に全てを理解していましたので、何故泣くのか、何故謝るのか、とてもよく理解出来ました。


俺はね、そのわずかな時間の間に、いっぺんに大人になってしまったんです。