【珍獣使い】の憂鬱

一応、庭はあったので、外っていうもの自体は初めてではありませんでしたが、通りすぎる車も、咲き乱れる桜も、両親以外の大人も、自分以外の子供も…


全てが初めてで、俺はとんでもない恐怖心を抱きました。

全部が化け物に見えたんです。

初めて目にする外の世界。それこそほんとに、地上に舞い降りた天使状態でした。

全てが初めて目にするもので、好奇心よりも、恐怖心ばかりが小さな俺の胸をいっぱいにしました。

6才といえばもうしっかり物心というやつがついていて当然です。

でも、俺には物心なんてありませんでした。

だって、そんなふうに育てられませんでしたから。