【珍獣使い】の憂鬱

「ナツさんは、バカですねえ。ぼく、わかってました。嘘だって知っていましたよ?」

「え…」


「ああ、ナツさんは、ぼくのことを試そうとしているんだなって思いました。
ぼくが探していたのはナツさんの心です。
ほんのちょっとだけ、もしかしたら本当に指輪が見つかるかもしれないって思ってましたけど。
ナツさん、見てたんでしょう?ぼく、合格しましたか?」



俺はね、その時、思ったんですよ。


ああ、こいつは、神様が俺に与えてくれた世界に1匹しかいない、優しい神様っていう名前の珍獣なんだって。