【珍獣使い】の憂鬱

「ねえ、ナツさん。絶対に指輪見つけますから、そしたらぼくと映画見に行って下さいね」

呆れたことに、まだジンちゃんは諦めていなかったのです。

その時、俺はひどく凶悪な気分になりました。

疑うことを知らないジンちゃんが、疑ってばかりの俺の目に、ひどく憎らしい存在に映ったんです。


騙されてるのにバカじゃねえの?


そんなふうに思って、ジンちゃんの純真無垢な心を切り刻んでやりたくなりました。

だから俺は言いました。

蔑むようにジンちゃんを見て、氷のように冷たい声で。