【珍獣使い】の憂鬱

あれは11月のことでした。

冬が静かに近付いていて、気温は低く、当然水温も低かったはずです。

でもジンちゃんは、そんなことものともせず、裸足になって川の中へとざばざば入っていって、バカみたいに何時間も何時間も見つかるはずのない指輪を探してくれました。


きっと30分もすれば、すぐに根をあげるはずだと、最初はそう思っていました。


だけどジンちゃんは1時間経っても2時間経っても川から出ず、少しづつ場所を変えては、また1時間2時間…。


日が暮れて暗くなった頃、ようやくジンちゃんが川からあがりました。