【珍獣使い】の憂鬱

そんなことの繰り返しでしたから、俺の心の中に、俺以外の誰かが住むなんてことはなかったんです。

だからジンちゃんのその決して諦めないファイティングポーズに、俺はショックを受けたんです。

ぶっちゃけ、怖いと思いました。


ジンちゃんが、ではなくて。

そのジンちゃんに心のドアを開きそうになっている自分が、です。


だってね、今までそんなこと、いっかいもなかったんですから。

情けないことに震えました。

信じて鍵を渡して捨てられたらどうしよう、と。

心の底から恐怖しました。