【珍獣使い】の憂鬱

むしろ動物は好きなほうでしたし、ジンちゃんが指さした猫は野良にしてはキレイな毛並みをしていて、グリーンの真ん丸い瞳はとても可愛らしく映りました。


でも何故か同意することが出来ませんでした。

胸の中にわけのわからないもやもやが広がって、ひたすらに嫌な気分でした。

その時は、情緒不安定という言葉で自分の感情をやり過ごしました。


でも、それからも、ジンちゃんが何かを

「かわいい」と言う度に、
ジンちゃんが誰かに優しくする度に、

俺の胸はもやもやし、またしても子供返りしてしまったのかと悩みました。

これでは、またジンちゃんに迷惑をかけてしまうと思い、俺は必死にそのもやもやを取り払おうとしました。

俺だけ見てて欲しいなんて、そんな子供みたいな感情は表に出しちゃいけないと思ったからです。