【珍獣使い】の憂鬱

「あ、ナツさん見て。猫ちゃんですよ。かっわいいですねぇ」

夏のことでした。
8月ぐらいだったでしょうか。

養成所を出て少し歩いたところで、道路の脇でまるくなっていた野良猫をジンちゃんが指さして言いました。

俺は途端に不機嫌になりました。

自分でも、どうしてそんな気分になるのかがわからず、ただイラッとしたんです。


「どうしたんですか?猫、嫌いですか?」

「そうじゃないけど」