【珍獣使い】の憂鬱

俺の母親的存在(勝手に俺がそう思っていた)だったジンちゃんが、子供に変わり、俺と立場が逆転した瞬間でした。


母親ってのは我が子が褒められれば褒められるほど喜ぶはずなのに、ジンちゃんはその逆で、俺が褒められれば褒められるほど子供みたいに不機嫌になりました。


独占欲。

ジンちゃんは、そんなものが人一倍強い子だったんです。

ちょっと前、俺がジンちゃんを独占したがったように、ジンちゃんは俺を独占したがりました。

今となっては鬱陶しいですが、当時は嬉しかったです。

なんといっても俺は愛されない子供でしたから、そんなふうに手放しで
「ぼくのだ!」
って存在を証明され、守られることが、本当に心地よかったんです。