【珍獣使い】の憂鬱

しゃがみ込んでいる俺の身体の上に影が落ち、そして言葉が降ってきました。

「ナツさん?」

ジンちゃんでした。

その個性的なスニーカーも声も、紛れもなくジンちゃんのものでした。

でも、俺は顔をあげられません。

なんたって女装です。
他人から見たらオカマです。

俯いたままでいると、ゆっくり空気が動き、ジンちゃんが俺の前にしゃがみ込みました。

「やっぱりナツさんだ。どうしたんですか?顔色悪いですよ?」

他に。

他にもっと言うことがあるだろバカ、と思いました。