【珍獣使い】の憂鬱

みんな、どこに行くんだろう。
そんなに急いでどこに行くんだろう。

ねえ、俺ここにいるんだけど。

ねえ、誰か……

誰か……


助けてよ。


ひっ、と喉が鳴り、涙が転がり落ちました。

雨はゆっくり俺の身体を濡らし体温を奪っていきます。

みんな濡れたくなくて、みんな冷たくなりたくなくて、俺の前を走り去っていきました。

革靴


ブーツ


サンダル


鮮やかな黄色のスニーカー…が通り過ぎ、また戻ってきました。