【珍獣使い】の憂鬱

俯いた視線の先、たくさんの靴が通りすぎていきます。

誰1人として俺に見向きもしません。


ぽつん、と。


世界でただ1人、ぽつんと取り残された気分になりました。

やっぱり人なんか信じられない。

だーれも俺に見向きもしない。

だいじょうぶですか?そんな一言もない。

俺は…俺は、やっぱり要らない人間なんだ。

そのうちポツポツと雨が降り出しました。

地面がちょっとづつ黒く染まっていって、俺の前を通り過ぎるたくさんの靴は足早でした。