【珍獣使い】の憂鬱

ゾッとしました。

鳥肌がたち、吐きそうなくらい気分が悪くなりました。

きっと俺は鬼のような顔をしていたんでしょう。

男は俺の顔を見て、チッと舌を鳴らし、肩をいからせて去って行きました。

だけど男が去っても、俺の気分の悪さは治りませんでした。

人に触れられることに慣れていない俺は、男が触れた肩がこの世で一番汚いものに思えて、自分自身を汚されたような気分にもなって、目の前の景色がぐにゃりと歪みました。


眩暈がして、キンと耳鳴りがして、立っていられなくなりました。

道瑞にしゃがみこみ、膝に額を押しつけて、その具合の悪さに耐えました。