「ねえ、ナツさん。メアド教えて下さい。電話番号も交換しましょう」

「ねえ、ナツさん。今度いっしょにご飯食べに行きましょうよ」

「ねえ、ナツさん。ぼくね、ナツさんといっしょに見たい映画があるんです」

「ねえ、ナツさん。今日ぼくんちにお泊まりして下さいよ。ぼくのパジャマ貸しますから」


ねえ、ナツさん。
ねえ、ナツさん。


ジンちゃんは、いつもいつもそうやって俺に話しかけては、断られ無視され、それでもその大きな口を閉ざすことはありませんでした。