【珍獣使い】の憂鬱

信じられないことに、俺はナンパされてしまったんです。

俺に声をかけてきたのは、いかにも頭の悪そうな、ちゃらちゃらした男でした。

「ねえねえ、どこ行くの?俺と遊ばない?」

無視しました。

俺の声は変声期というものがないに等しかったですから、喋ったところで男とはバレないと思いましたが、口を聞きたくなかったんです。


無視して通り過ぎようとする俺の肩を男が掴みました。

「ねえ、って」