まずはひとつ、このお話を紹介する前に皆様のお耳に入れておきたいことがございます。
それは、私の姉がすでに亡くなっていることです。
姉は生前、鬱を患っておりました。
カウンセリングに通い、処方された薬を飲む日々を死の直前まで送ったいたのですが、なんせ闘病歴は5年近く経っていたため、薬なしでは眠ることも儘ならないような状態でした。
睡眠薬なしでは、ね。
そして死んだ日も、睡眠薬を飲んで眠りについたのです。
しかしながら、姉は記憶障害の気もありましたので、一度睡眠薬を飲んだあとにも拘らず、勘違いしてもう一度、睡眠薬を飲んでしまったようなのです。
姉が処方されていた睡眠薬は、とても強いものでした。
睡眠薬に体の慣れていない人間が飲めば、恐らくは昏睡状態に陥るのではないでしょうか。
短時間のうちに多量に摂取すれば、もちろん死に至ります。
私の姉も、例外ではございません。
そうして結局、姉は心筋梗塞という形で、この世を去っていきました。
お医者様の診断に、間違いはないことと思います。
夜中に警察がやって来て「お姉さんが亡くなった」と聞いたときにも、いの一番に薬のせいだと分かりました。
しかし、姉の死後、私は色々と気になる話を聞いたのです。
今回は、その「気になる話」について、お聞き願いたいと思います。
[姉の部屋]