―回想―


「…え?」

「聞こえなかったの??何、如何わしい目付きで私の事見てんのよって言ってるの。」


…如何わしい目付きはあなたの方では!?


「あのー…」

「ニャによ。」


「お持ち帰りしてもよ…」

ガシャーンッ


一瞬の出来事だった。

僕が目を開けた時にはもう…


「その如何わしい目を抉りとるわよ」

僕のお気に入りの自転車は勢い良くコンクリートに叩きつけられ、目の前には宙に浮く猫の姿があった。


右前足は、無論僕の目の玉を狙っている。