鯖を読んでる転校生=社長!?

「奇遇だね、俺もあるよ」

待っていたと言わんばかりの旬の顔。

やっぱりあたしに向けた優しい顔とは全く違っていた。

「じゃあちょっと場所変えよっか」

光河は繋いでいた手を離して校門から出ようとした。

旬も少し先を歩き始める。

険悪なムードの2人。

「待って!!」

あたしは歩き出した2人を呼び止めた。

「どうした?」

光河が優しく尋ねる。

光河に全部任せていいの?

あたしは自分自身に問いかける。

旬に告白されたのはあたしだよね?

「自分の気持ちくらい自分で言わなきゃ」

あたしはそっと呟いた。

あたしは光河のもとへ駆け寄った。

「あたしも・・・行く」

自分の気持ちは自分で言わなきゃ旬にも失礼だし。

あたしの意思を読み取ったのか光河は優しく微笑んであたしの手を取った。