鯖を読んでる転校生=社長!?

少ししてやっとあたしは解放された。

「馬鹿ッ!!!!」

あたしは呼吸を整えながら光河を睨む。

光河はクスクス笑っていた。

このドS!!!

あたしは鞄を持って車から降り、スタスタ歩き出した。

「あ、結輪待てよ」

後から光河も慌てて走ってくる。

「悪かったって」

隣でがり勉眼鏡をかけながら謝る光河。

謝る気ないでしょうが!!

心の中で叫ぶ。

黙って歩いていると久しぶりに目にする学校の門。

光河もあたしも文化祭以来の学校。

校門の前で少し立ち止まった。

「結輪」

光河が優しくあたしの手を握った。

大丈夫。

あたしは少し強く光河の手を握り返した。

深呼吸をして大きく一歩を踏み出したその時

「結輪!?」

あたしたちの後ろから、これもまた文化祭以来の懐かしい声が聞こえた。

あたしたちはその声に振り返る。

「深野・・・」

先にその人の名前を呼んだのは光河だった。