鯖を読んでる転校生=社長!?

「良くなりました、お陰様で」

少ししんどいけど頑張って元気を見せる。

「それは良かった」

新藤さんも嬉しそうにしてくれた。

「仕事ですか?」

さりげなく聞いてみる。

「少し」

優しく微笑む新藤さん。

「光河は・・ゴホッゴホッ」

「大丈夫ですか!?」

あたしの咳き込みに慌てて駆け寄ってくれる。

「ごめんなさい、大丈夫。光河はここ何日も寝てませんよね?」

ベッドの脇にしゃがみながら新藤さんが優しく笑う。

「そうですね、ここ3日で5時間程しか寝られてませんね。あの人は凄いですよほんとに」

やっぱり。

5時間なんて1日でも足りないくらい。

休んでもらわなきゃな。

そう思っていると新藤さんが申し訳なさそうに頭を下げた。

「結輪様、すみません、ちょっと会社に戻るのでこれを社長にお願いします。ここに置いときますので」

どうやら忙しいみたい。

そりゃそーだ、あたしが社長を引き止めてるんだから。

「わかりました。すみません」

あたしは一言謝って新藤さんをベッドの中から見送った。