鯖を読んでる転校生＝社長！？

何時間泣いただろう。

そもそもあたしは何時に帰ってきて何時に倒れて何時に目覚めたのか。

時間感覚が全くわからない。

｢落ち着いたか？｣

光河は少し泣き止んだあたしの背中を優しくさすった。

あたしはコクリと頷く。

｢ごめんなさい｣

そして静かに謝った。

｢ふっ。なんで結輪が謝る？｣

静かに笑ってくれる。

何も聞かない光河。

少しは気が楽だった。

だけどこれからどうすればいいのか、旬とどう接していけばいいのか。

学校に行くのが怖い・・・・。

そんなふうに考えていた。

｢何か食べるか？｣

あたしは静かに首を横に振る。

何も喉を通る気配がなかった。

｢そっか、じゃあもぉ寝ろ｣

光河はあたしを静かに寝かせて布団をかぶせた。

頭がぼーっとする。

泣き疲れてか、あたしはそのまますぐに眠りについた。

夢を見た。

｢結輪、よしかずくんと付き合ってるの？｣

いつもより暗い顔をした佑希と玲奈。

｢何で言ってくれなかったの？｣

｢よしかずくんって吉一グループの社長なんでしょ？｣

｢結輪はずっとバイトで貧しい思いしてると思ってた｣

｢あたしたちのが貧乏なんじゃん｣

｢ねぇ、お金貸してよ｣

２人は何かに取り憑かれたようにあたしに近づいてくる。

｢ゃだ・・・怖い・・・来ないで・・・助けてっ！！！｣

バサッ

そこで目が覚めた。

時計を見ると夜中の4時。

隣には規則正しい寝息をたてた光河。

夢・・・か。

佑希と玲奈があんなこと言うはずがないよね・・・。