鯖を読んでる転校生=社長!?

「ここに座って」

吉一光河は自分の足の間に座れと言ってきた。

あたしは黙ってそこに座る。

ワシャワシャと吉一光河があたしの髪を乾かす。

その手はすごく優しかった。

「はい、終わりっ」

「キャッ!」

吉一光河はドライヤーが終わるとともに背後からあたしに抱きついてきた。

「ちょっ・・・」

何ですか!?

ってドキドキのあまり口が回らない。

だからあたしは餌を食べている金魚のように口をパクパクさせているだけだった。

「結輪」

名前を呼ばれて振り返る。

チュッ

触れるだけのキスをされた。

びっくりして何も言えない。