しーくれっとらぶ

『どうすればいいの……?
…もしこのままその記事が世間に出回ったりしたら……っ』


龍に迷惑かけちゃう……

龍の仕事には間違いなく支障が出てしまう……


「大丈夫だ……俺がどうにかする…｡…お前が傷付くようなことには絶対しない……｡」


聖夜はそう言ってあたしを抱き締める｡

違うんだよ､聖夜……

あたしが心配してるのはそんなんじゃないの…｡

自分のことはどうだっていい……､あたしが一番怖いのは龍に迷惑をかけてしまうってことなんだ……｡


あたしのせいで龍が悪くいわれるなんて……､絶対嫌……っ｡


『ねぇ聖夜､お願い……っ｡記事を潰してっ……｡龍に…龍に迷惑をかけたくないのっ……あたしのせいで……あたしの過去が龍のスキャンダルになるなんて……っ』

「唯､わかったから…!
…お前の気持ちはよくわかる…｡
だけど…今は自分の心配をするんだ｡
もしその記事が出回ったら､お前が一番傷付くことになるんだぞ｡
俺はそれが一番心配だなんだ｡」


聖夜は混乱するあたしをなだめるように背中を擦りながらそう言った｡