しーくれっとらぶ

「全部聞いたんだよ」


雅紀先生はそう言ってあたしの目を見た。

きっとあたしがあの人たちから捨てられたことを知ったんだ。


「辛かったでしょう…」


由紀先生はあたしの頭を撫でる。


『…うん……。でもね、今は全然平気だよっ。聖夜もいるし…、家族もいるんだっ』


あたしは笑顔で2人の顔を見上げた。


本当のことだから。
聖夜がいて梨華さんがいて陸と妃芽がいて…―
血の繋がりはなくても大切な家族だから。