「亜紀から頭撫でられたから泣いてるん?」


龍があたしの背中を撫でながら聞いてきた。


『…違う…っ』

「ならどうし…「あ!わかった!!」

亜紀がなにかを思い出したように叫んだ。


「龍君のことだ!…そうだよね!?」


亜紀の言葉にあたしは黙って頷いた。


「え!?俺なん!?」

「さっきね、龍君と元に戻ってよかったねって話してたの。だからそれで泣いちゃったんだよ」

「…ようわからへんねんけど…」

「だからぁ、唯は嬉しかったんだよ。また龍と付き合うことになって。ねっ?」


あたしは亜紀の言葉に正直に頷いた。


「なんやそれー。可愛いすぎやろ(笑)」


龍はそう言ってあたしの頭を撫でる。
あたしは鼻をつまんで涙を止めようとした。


「唯ー、もう泣きやみ?」


だけどそう言って龍があたしを抱き締めたから、また涙は溢れ出てきてしまった。


「唯泣きやむ気ゼロだな(笑)」


慎君に馬鹿にされて笑われちゃったけど涙は止まらなかった。