「今日は飲み会やめにしたがいいんじゃね??」


え??


隣にいた拓魅が場を察して小さい声で聞いてきた。


「彼氏だろ??亜紀たちには俺が言っとくからさ｡」


あたしは迷った｡



龍の誤解もときたい｡


だけど…―

あたしだけのためにみんなが楽しみにしてることをドタキャンしたくい…｡


【黙っとんのなら切るわ｡】


ブチッ―プー…プー…プー…


あたしが何の返事もしなかったからか、龍からまた電話を切られてしまった。




あたしはそのまま携帯を閉じた。


「唯、大丈夫か??」


あたしが泣きそうな顔をしていたのか、拓魅は心配そうに聞いてきた。



『…うん。ごめんね。』

「いいって。それよりどうする??飲み会やめた方がいいんじゃねぇの??」


『…でも亜紀たちが……』





亜紀と彰はきっともう着替えて買い出しに行っている。



「大丈夫だって。ちゃんと言っとくから、彼氏のトコ行ってきな。それか、俺が言ってやろうか??」


『え??』


「彼氏、俺のこと勘違いしてるんだろ??」




拓魅は気がついていた。
きっと電話の内容からだろう。



『大丈夫。あたしの問題だし、あたしがどうにかするよ。
…―だから今から会ってくる。


飲み会は３人でして?』




「そうか｡

じゃぁ今度唯の問題解決してから飲み会しようぜ｡

３人じゃ意味ないだろ｡
今日のテストを頑張ったのは唯と彰なんだからさ(笑)｡」


『そっか…(笑)｡ごめんね｡』



あたしたちはそのまま別れた｡