「来る気は無かったよ…もうこのまま新君と付き合っちゃうのも良いと思ってた」 それはそうだろう。 あいつの方が幸せにしてくれるだなんて手に取るように分かる。 逆に俺のところに来た事が不思議なくらいなのに。 「でも、そう思っていたのに…拓真はズルイよ。忘れさせてくれないんだもん。忘れようとしても拓真の声とかがずっと頭の中で聞こえるの」 結衣の声は震えてた。 不安を抱えているみたいに弱々しかった。 俺がここまで追い込んでしまったんだと痛いほど痛感する。