涙恋ーナミダコイー




「来る気は無かったよ…もうこのまま新君と付き合っちゃうのも良いと思ってた」


それはそうだろう。


あいつの方が幸せにしてくれるだなんて手に取るように分かる。


逆に俺のところに来た事が不思議なくらいなのに。


「でも、そう思っていたのに…拓真はズルイよ。忘れさせてくれないんだもん。忘れようとしても拓真の声とかがずっと頭の中で聞こえるの」


結衣の声は震えてた。


不安を抱えているみたいに弱々しかった。


俺がここまで追い込んでしまったんだと痛いほど痛感する。