そう言うと結衣は嬉しいと言うように満面な笑みを見せた。 そして迷わず走り出して行った。 「ほんと、最後にその笑顔は反則だろ」 最後に結衣が俺に見せた笑顔は俺だけの秘密という事で。 「何が反則よ。泣きそうな顔をしちゃってさ」 唐突に聞こえた声は木の上からだった。 「いつからそこにいたんだよ?」