涙恋ーナミダコイー



新君は私に微笑んだ後、拓真をすぐに睨んだ。


「あんたこそ何でこんなとこに居んの?」


それはいつもとは違うような声。


私が初めて聞く、怒っているような低い声だった。



「別に…」


「デートだよね、拓真」


拓真の声を遮って隣りの彼女が返事をする。


「……」



それに拓真は否定もしなければ肯定もしなかった。