だけど、それはほんの一瞬で 「けど、それだけ結衣との距離が縮まったってことなんだろうけど」 と言って、いつもの新君に戻っていた。 それから、たくさんたわいのない話をしているとあっという間に私たちが先頭になっていた。 「次のお客様どうぞ」 従業員さんが私たちがのる観覧車のドアを開けてくれた。 「ほら行くぞ」 そう言って、すっと手を差し出して私が乗りやすくしてくれた。