目の前にこげ茶のさらりとした髪がゆれ、少し茶がかかった瞳が煌めき、唇にやわらかいものが押し当てられる。 予期せぬ事態に、状況把握すら出来ぬまま硬直していれば、舌先で唇を割られ、何かをおしこめられた。 ―――――――――そこであたしの夢は終わった。 目覚めたとき、口の中に転がる丸い物体。 そばにあったティッシュに吐き出してみると、それは彼が大好きなイチゴのアメだった。 眠りに落ちる前に食べた覚えはない。