一面、どこを見ても真っ白だった。



上も、下も、左も、右も…全部。



そのポカンとした空間にはあたしともう一人、彼がいた。





状況がわからなくておろおろするあたしにむかって彼は言うんだ。




「一緒になれなくてごめん……幸せにしてやれなくてごめん――――守ってやれなくてごめん」


って。





何度も―――何度も…繰り返す。




あたしはまだ訳がわからなくて…言ったんだ。




「あたしたち結婚するんでしょ?いっぱい本とか見たよね。幸せになろうねって約束したよねっ!?」




そんなあたしの言葉を聞いてか聞かずか彼は同じ言葉ばかり繰り返す。




「ごめん…ごめん…ごめん」




「ねえ…ねえってば!…なんでそんなに謝んのよっ!!」




あたしは彼の胸を強く「ドン」と叩いた―――――――――