「紫桜のヤツ…何か問題でも起こしたのか?」



「…私では何も申し上げるコトは出来ません。折り返し連絡お願いします」



「わかった…」



是枝さんは用件だけを伝え、部屋を出て行った。




「紫桜はおとなしい性格の少年だと思っていたが…」



「それは見た目の印象だけだ…ヤツは内に獣を飼っている」



副社長は意味深な言葉を吐いて、紹興酒を口にした。




「獣?俺にはそうは見えないけど…」


京平さんは首を傾げた。



紫桜と言う少年は副社長の邸宅で世話になっている16歳の高校生らしい。