ニーナは毎日毎日
ハンズに



愛してる



と言いました

もちろん
ハンズは何も
答えません

それでも
ニーナは満足でした

ハンズが
愛する喜びを
教えてくれた
それだけで十分だった
1人ではないから
愛しい人がいるから
毎日が幸せでした

それでもたまに
自分でも
わからないけれど
なぜか不安になって
ハンズを
怒鳴ったりもしました

ハンズはここにいるのに
どこかに
行ってしまうような
そんな気がして
泣いた日もありました

でも
どんな時も
ハンズはずっと
ニーナの
そばにいました


ハンズは毎日
ニーナと過ごしましたた

一緒に過ごす意味も
そばにいる意味も
泣いたり
笑ったり
そんなニーナの表情の
意味も

感情のない
ハンズには
わかりませんでした


それから
しばらく経って
ニーナは
ベッドの上で
過ごすことが
多くなりました

ハンズには
わかりませんでしたが
ニーナの体は
病に冒されていました

咳が苦しくて
眠れない日もありました
そんな時も
目を開ければ
そこに
ハンズがいました
それだけで
ニーナは
安心して眠れました

それからまた
しばらく経ちました
もう
ニーナは
ベッドから
出れなくなっていました


ニーナは
ベッド横のイスに座る
ハンズを
見つめました