さようなら
と言う言葉さえ
神々は
知りませんでした

誰かが
ハンズは
人と言うものを
我々に教える
神ではないのか?
と言いました


ハンズは
泣き疲れていました
もうすぐ
ハンズは死んでいく
そう感じた神々は
慌てました
ハンズを
殺せと言った
神々は
今度は口々に
ハンズを死なせるなと
叫んだ

すると
あの感情を
抜きとった神が
前に出てき
言いました

もういいじゃないか
私達の勝手な都合を
全てをハンズに
押し付けるのは
もうよそう

ハンズは
ゆっくりとゆっくりと
死に向かっていました
自分を
愛してくれた人を

自分を
支えてくれた人を

自分を
必要としてくれた人を
思いながら
たくさんの記憶が
駆け巡りました


すると
母親である女神が
ハンズに手を
伸ばしました
他の神々もみな
ハンズに
手を伸ばしました

ハンズは
たくさんの暖かい手に
包まれました

暖かい…

ハンズは
母親である女神にも
誰にも聞こえない声で
言いました


みんなの手
暖かいなぁ…
僕のそばにいてくれて本当に
ありがとう
大切な
大切な
大切な人達…


そう言って
ハンズは長い長い
命を終えました
ハンズの最後の言葉は
誰にも
聞こえなかったけれど
みんなの心には
伝わりました

神々は
ハンズを見下ろし
泣きながら
初めて



『さようなら』



と言いました