あたし、褒めてなんかないんだからね??



分かってます?






(うん、知ってる♪

だって、俺チャラいし。


褒めてくれて、ありがとう♪)








コイツ……








「…………………………………



ところで、甲斐君。」







もう、良い……この人に言うの
面倒くさい。






(何……?)






あたしは、徹夜をスルーをした。






(ちょっと、捺海ちゃーん!!

無視しないでよ。)






はいはい、分かりましたよーだ。






徹夜は、チャラいですね。はい。





あたしは、心の中で棒読みで
徹夜を褒めた。








「コレ、ありがとう。」







あたしは、バッグの中から
小説を出して甲斐君に渡した。






実は、前に甲斐君から小説を
借りていた。




最初は、苦手って思ったけど
やっぱり、本とかの趣味は
合うみたい。







(もう読んだんだ……)







甲斐君は、小説を受け取った。







「うん、面白くって一気に
読んじゃった。」







すると、徹夜は顔を覗かせた。






(何々ー??


俺にも見してー) 







徹夜は、甲斐君から小説を
取って中見をペラペラめくった。









「止めといた方が良いと思うけど。」








そんな、あたしの注意を無視して
本を見る徹夜。








(えーっと…………





……………………ゴメン、返す。)







徹夜は、引きつった顔をして
小説を甲斐君に返した。






だから、止めといた方が良かったのに。






徹夜が、読める訳ないじゃん。








(お前が、読める訳ないだろ……


馬鹿なんだから。)






うわっ、ズバっと言ったよ!!!!








(なっ、捺海ちゃん……


コレ、マジで読んだの??)  







「えっ、うん。」








まぁ、この本は結構難しいからね。






頭を、かなり使う話しだから
馬鹿な人(徹夜)には向いていない本。









(捺海ちゃんって、頭良かったんだ。)







ハッ……?


はい……??







コイツ、あたしのことを馬鹿に
してんの??