((尚希……!!))





さっきの、荒い声が嘘のような甘い声に変わった。






最低男は、面倒くさそうな顔をして
近ずいて来た。





何、面倒くさそうな顔してんの……



アンタの客でしょーが。





最低男は、女達の前まで来て
止まった。





さて…………



何て言うのかな……アイツは。





もし、失敗したら……





ダサいよねっっっ!!!!






早く解決して欲しいのもあるけど
少しだけ失敗して欲しいと思っている
悪魔なあたし。






「何、騒いでるんだよ。」






(ねぇ、尚希!!

この女より、あたしの方が
先にデートするって約束したよね!?)






(違うよね、尚希!!

あたしが先だよね!?)







「ハァー………


もう、お前ら帰れ。


他の客に迷惑だ。」







うわっ……冷たっっ!!!!





(…………っっ……何でよ!?)




(そうよ、この女が元はと言えば
いけないのよ、尚希!!!!)






「……チッ………


面倒くせぇー女達だな。


ここは、店だ。



店に迷惑を掛けて、他の客が
怪我したらどうする。



お前達みたいな客は
この店には、ふさわしくない。」







最低男は、冷たく言うとソファーに座って足を組んだ。






女達は、涙目になりながら
走って店を出て行ってしまった。







あーーぁ…………



泣かせちゃったよ………


あの、馬鹿。





周りにいたホスト達は、散らばった
ガラスを拾い始めた。






周りで見ていた客は、自分の席に
戻り始めた。